–この文章は河川敷に住むある庵の人が綴った手記(原文ママ)である–
癒し空間 河川敷停留所
ワシは河川敷に住んでいる。住んでいるというのはおかしいかな?
ホームレスというのは(家がない)ということらしいから。
つまるところ寝場所ということだ。
流木とシートなどで作った小屋は自分なりに快適だと感じている。
勝手に作って河川の管轄、国土省には悪いなぁと少しだけ思っている。
でも生きなきゃナ、60を過ぎると土木、建築の日雇い仕事はほとんどない。
で、アルミ缶などを集めて売って1日500円から千円でも充分だ。
酒も飲めるしタバコも買える。
一週間に一度は西成NPO、高齢者清掃業に行く。道路掃除や草刈りだ。5300円もらえる。ゼイタクもできるってもんだ。
寝場所の横のスペースに休憩所を作った。三m四方かな、ゆったりとした作りのつもり。それが河川敷停留所だ。
ワシの長いホームレス歴の中で、この停留所でいろんな出合いがあった。これからもあるだろう。もちろん別れも多い。
この停留所!なんや、ホームレスか!と言わずにいやしの空間として散歩の途中に寄ってくれたらそれも一つの縁だろう。
ワンカップ一コ持ってきてや!それが一番うれしい。
大阪府大阪市淀川区 “河川敷停留所” 2015