ジンジャーレモンハニー

ヒマラヤの麓を旅していた時に、ジンジャーレモンハニーをカフェでよく飲んだ。

名前の通り生姜、レモン、そしてハチミツを、白湯や紅茶、サイダーで溶かす素朴な飲み物なのだが、

ほどよい辛味、酸味、そして甘味が絶妙なバランスでじんわりと、移動や高度で疲れた体を癒やしてくれる。

 

夜にはついついアルコールに手を出したくもなるが、土地柄あるいは宗教上アルコール類がないカフェも多い。その点でも、ほっとするひと時が得られるジンジャーレモンハニーは良かった。ちなみにお酒よりも体に良い….。

 

カフェで出会った多様な旅人たちとたわいもない話をする。時には楽器を奏でたり、唄ったり。そうして1日をリセットし、それぞれが次の新たなる1日に目覚めていった。

 

借りた宿では村人から教わってインドのスパイスをよく自炊で使った。

また宿から出発する旅人が少しでも荷物を減らすため、彼彼女らが使っていたハーブをもらう事もしばしばあった。

 

日本に帰国してから、あのスパイスやハーブを自分なりに調合し、自分のオリジナルのジンジャーレモンハニーを作っては、異国の地を、山々を思い返していた。

 

常に移りゆく風景や光、土地の空気や匂い。

変わらない村人たちの温かさや、旅人たちのあの笑顔を。

 

それぞれの御来光

2021年夏。2年ぶりに開山となった富士山。昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の為、近代以降広く登山が一般的になってから史上初の閉山となった。

 

一年経ってコロナの猛威は収まってはいない。さらには緊急事態宣言さなか、1日に800人程が頂上を目指し登っている。午前4時半、登山道は御来光目的の人々の列で渋滞し、高所で空気が薄い為マスクを外す人も多い。

 

人はなぜ富士山に登るのか。そして山頂での御来光を目指すのか。

そこには単なる「日本一の高さの観光地」に登るという事だけではなく、そもそも本来は御神体や霊峰に向かう、「信仰の対象としての富士山」があるはずだ。

 

古からの仏の世界。気持ちばかりのソーシャルディスタンスで数百人がじっと夜明けを待つ。聖と俗が密になる領域。

人それぞれが様々な思いを抱いている。そしてまた新たな日を感じたいと願っているのだろう。

 

見方を変えれば、この世は人類だけの世界ではない。動植物にとっても、はては微生物、ウイルスにとっての世界でもあると言える。

日本最高峰の頂に立ってのごく個人的な達成感、温かい御来光のありがたさと同時に思ったことは、ほんの小さな存在でしかない我々は、何に対しても決して傲慢にならず、自然という見えない大きな力を畏れ敬うという精神性を、今一度見直し培うことが必要なのかもしれない。

 

のぐちけんご 写真家

富士山頂での夜明け

2021年8月11日

緩やかな日常

緩やかな日常

静岡県沼津市、伊豆半島の付け根。目の前が海で裏手はすぐ山という自然豊かな場所に、ひっそりと存在する一日一組限定のキャンプ場がある。晴れた日は海の向こうに大きな富士山が顔を見せる。

夫婦と犬一匹、烏骨鶏数羽。昨年5月から土地をならし作り始め、地に根を張った手作りの生活をしながらゆっくりと営んでいる。廃バスを利用したレトロなバーも併設している。

宣伝をして客足を求めることはせず、あくまで「自分たちのペースで」と夫婦が言っていたのが印象的だった。それは最近のキャンプブームで密になりがちな、レジャー目的だけのキャンプ場ではないということだ。

ドラム缶風呂、バイオトイレ、計画中のサウナやツリーハウス。環境や生態系を意識し、やれることはすべて自分たちで行っている。DIYに裏付けされた「自然の暮らし」から作るキャンプ場は、それゆえに毎日が素朴で新鮮だ。

一日一組限定の客は、このプライベートな空間で、自らの新しい一日と、悠久なる時間を同時に過ごすことになるだろう。そして此処の夫婦の穏やかな雰囲気と、海と山の恩恵の余韻に浸りつつ、自らの日常に帰っていくのだろう。

 

のぐちけんご 写真家

The Old Bus

森のキャンプベースにて

(2021年5月26日) https://theoldbus.net

Deep in the mountain in India → Tokyo station

インドの深い深い山奥で二人に出会った。

Kengo and Yumi (b.1984, b.1983 Japanese), Kheerganga, India, May 14, 2017 

 

丸ノ内epSITEでの僕の個展の最終日に駆けつけてくれた。旅、縁、時間、移動。

そして春になり2人はまた新たな旅を続けて行く。

Kengo and Yumi, Tokyo, Japan, January 20, 2020

STORY (solo-backpackers→marriage→family(with baby)

それぞれ最初はソロで旅をしていた2人。

Yuki (b.1987 Japanese), McLeod Ganj, India, October 4, 2016

 

Polly (b.1989 British), McLeod Ganj, India, October 17, 2016

 

Polly (b.1989 British), Arambol, India, February 20, 2017

 

Yuki (b.1987 Japanese), Vashisht, India, June 3, 2017

 

Yuki, Polly, and Ryo (b.1991 Japanese), Kanagawa, Japan, January 6, 2019

 

Yuki, Polly, and Maya (b.2019 Japanese-British), Yamanashi, Japan, November 11, 2019

旅中出会い、恋をし、結婚をし、子供が生まれ、これからは家族の旅が続いていく。

Couple along the way

旅中、200人程の旅人を撮ってきたが、 例えばこのカップルはイスラエル人とパレスチナ人だった。

 

Suzan and Jonathan (b.1990 Palestinian, b.1994 Israeli), Kasol, India, May 6, 2017

 

 

このカップルはチェコ人とスロヴァキア人。旅中出会い恋に落ちた。歴史的背景は色々あれど、恋愛に敵対国、政治問題、国境はないなあと思った。

Daniel and Gabriela (b.1974 Czech, b.1987 Slovak), Thivim, India, April 10, 2017